桃花side*

「桃花~!今日で卒業だね~。さみしいよおお」

卒業式直前。亜子が抱きついてきた。奥で隆太が睨んでいる。

「あ、亜子。離れてよぉ。お願いだから・・・」

「えぇぇぇ。なんでぇぇぇ。あ、まさか。隆太サンは嫉妬かな。それじゃ!」

すんなり離れた亜子。なんかちょっと寂しかった。

「隆太。嫉妬してたの?」

「うっせぇ。知るか」

照れる、隆太。なんだか子犬のように可愛かった。

「かわいい~」

「はっ!?」

「なんでもなぁい!」

そう言って私は、式場の入場場所に立った。既に亜子も立っていた。

『卒業生入場』

アナウンスとともに私たちは入場する。

それから次々とプログラムが進められていく。

『卒業証書授与』

生徒の名前が呼ばれていく。

『大沢桃花』

「はい」

大きく返事をして、ステージに上がり、卒業証書をもらう。

『長澤隆太』

私はドキッとする。

ステージに目をやると、いつもより輝いて見える、隆太。



卒業式は終わり、私たちはこの学校を去ることになった。

卒業式の看板の前で、私と、亜子と、隆太と愛空と健介と写真を撮った。

それからみんなに別れを告げ、学校を去った。

隆太と歩いてるとき、隆太がこういった。

「やっと結婚できるな。桃花」

「うん」

私は精一杯の笑顔で返事をした。


死ぬまで離さないでね。私の大好きな人。

隆太side*

死ぬまで離さねぇよ。俺の愛してる人。







    完。