プレイボーイの溺愛


「シラきるつもり!?ふざけんじゃないわよ!見たんだから!」

「見間違いじゃないかな・・・?」

「あんた喧嘩売ってんのかよ?あんた何様のつもりよ!ブス!あんたが隆太くんに相手にされるわけ無いでしょう?」

「どうして、あなたがそう言えるの?」

「あ~。何言っても無駄ね。もう隆太くんは諦める。その代わりまだ、あんたをいじめるから。ブス同士でお似合いでいいんじゃない?」

私の頭の中で何かが切れる音がした。

「あなたになにがわかるっていうのよ!?私のことは何とでも言ってもいい!気が済むまでいじめればいい!でも、隆太くんは関係ない!隆太くんのこと悪く言わないで!」

さすがの私でも頭にきて大きな声が出た。

「なっ・・・痛い目にあうわよ!」

「やれるもんならやってみなさい!」

どうせなにもないくせに。そんな私の考えは違った。ナツミ一人でいるわけない。後ろの草むらにパイプを構えていた女子が二人いる。

「死ねよ。大沢桃花サン」

ナツミがそういった時、ナツミのうしろの草が音を立てた。するとそれは思い込ませで私の背後の草むらも揺れた。振り向いた時にはもう遅かった。

-ガンッ。

一人が私の頭を鉄パイプで殴っていた。あまりの痛みに倒れこむ。

するともうひとりの女子も出てきて二人で私の体中に鉄パイプや拳を飛ばしてくる。

助けて・・・。隆太くん・・・。その思いは届かなかった。いいだけ殴って戻っていった。

私は瞬きもできなかった。ただ黙って一点を見つめることしかできなかった。意識が薄れていく。そんなときスマホがなった。私は痛くて動くことができなかった。でも、助けを呼べるかも知れない。必死に手をスマホに伸ばす。そして通話開始ボタンを押す。

『もしもし?教室にいないけどどこいったの?』

「亜子・・・?」

『どこいるの?今校舎裏なんだけど』

「あ・・・すぐもどるから教室行ってて」

『そう?わかった』

そう言って電話を切った。校舎裏って曲がり角を曲がればここに来る。今はこんな無残な姿をみせることはできない。