桃花side*
ゆっくりと目を覚ました。眠る前よりもすっかり体調も良くなって動けるようになった。
そうだ・・・!メールしなきゃ!私は枕元にあったスマホを持って、メールを作成する。
「今起きました・・・元気になりましたよ・・・っと。送信」
送信ボタンを押して、隆太くんに送る。何分かしてすぐに返信が来た。
『ちょっと待ってて』
私は「了解」と返事をしてスマホを下ろす。
ちょっとまっててってことは委員会か何かかな?
しばらくしてスマホがなった。
-ピロリロリン♪
スマホを手に取ると隆太くんから電話がかかってきていた。私は画面に表示された通話開始のボタンを押す。
『もしもし?桃花?』
すぐに聞こえた愛おしい声。
「うん・・・」
『出てきて』
「え?」
『いいから早く』
「わかった」
そう言って通話を終了した。私は立ち上がってドアまで歩く。ゆっくりとドアに手をかける。
私が手をかける前にドアは開いた。そこには私を見て安心している隆太くんが立っていた。
「桃花。帰ろ?」
そう言って手を私に差し出す。私はその手に自分の手をかけた。
「そうじゃない。こう」
隆太くんは、自分の指と私の指を絡ませた。恋人つなぎってやつだよね。そう思うとすごく嬉しくなってきた。