隆太side*
桃花に会いたくて、桃花のクラスに行ったが、亜子が女の子に連れられてどっかいったと言っていた。なにもなきゃいいんだけど。
教室に戻ってスマホをいじっていた。いきなり画面が着信画面に切り替わった。
『桃花』
と表示された画面に、隠し撮りした桃花の寝顔の写真。
「わり。ちょっと電話」
友達の東出愛空(ひがしだあいく)にそう言い、教室を出る。通話の画面を押して、耳に当てる。
「もしもし?」
『も・・しも・し?たいい・・くか・・ん・そうこ・・・に・・きて・・たすけて』
体育館倉庫?桃花何言ってんだ?
-ツーツー。
切れた電話。呆然とする俺。気づけば俺は体育館倉庫に向かって走っていた。
「あ!隆太くん!どこ行くの?」
くそっ。こんなときにナツミが邪魔かよ。
「体育館倉庫!」
そう言って俺は走った。
ナツミは驚いた顔をして黙った。俺は助けたい一心で体育館倉庫に向かった。
体育館倉庫に着き、扉を叩く。
「桃花!俺だ!いるのか!?返事しろ!」
「隆太・・くん。助けて。怖いよ・・・」
「桃花今開けるぞ!」
クソッ。ナツミのやろう。きつくしめやがって。
-ガチャガチャ。ガコンッ。
開いた!
「桃花!」
「うっ・・・隆太くん・・・くるし・・・」
「我慢しろ。抱きしめさせてくれ」
桃花はほんのり香水の匂いがした。ほかの女より好きな匂い。ほかの女は香水の匂いが強すぎてくせぇし。桃花は優しい匂い。好きだ。