何時間経ったかな。怖くて怖くて、涙が止まらない。怖い。隆太くん・・・。気づけば頭に浮かぶ彼の名前と声と顔・・・全て。

彼がいてくれると安心する。どうやったらここから出れるか、彼は助けに来てくれるか・・・彼は・・・彼は。彼のことが頭から離れない。何があっても離さないって約束してくれたんだもん。なんとかしてここからでなきゃ。

「あ・・・そっか!ケータイ!」

私は、ポケットに入っていたスマホを取り出す。

電波は奇跡的に一本ある。私は隆太くんの名前を電話帳から探す。

見つけて通話ボタンを押す。お願い。出て。