「泳ご!」
亜子がそう言って、奥の方に飛び込んで、泳いでいる。健介も飛び込む。
「桃花早く~!」
「私、泳げない・・・・」
小さな声で言うが勿論亜子には聞こえていない。
早く早く言ってる亜子に応えようと思ったのか、飛び込んだ。
浮いてこない、桃花。
「桃花・・・?」
亜子が不安そうな声で呟く。
俺は桃花の飛び込んだ方へ、泳ぐ。潜る。
桃花が苦しそうにもがいている。
俺は桃花を抱え、水面に戻る。
「俺ら浜辺にいるな!」
俺が叫ぶと亜子は「わかった」と返事をした。
俺は桃花を抱えてレジャーシートに座らせる。
「大丈夫か?」
俺が尋ねると、桃花は俺の胸に顔をつけて泣き始めた。
「怖かった。死ぬかと思った。うぅ~・・・ひっく・・」
俺は頭を優しく撫でてやった。
俺はこんなかわいいやつ初めて見た。
俺は冗談抜きで一瞬で恋に落ちた。