用を足して教室に戻る途中、廊下で男子と歩く千葉を見つけた。


俺と一緒にいる時の千葉じゃなくて、俺と一緒にいる前の千葉の顔で。

そりゃ顔自体は変わらないけど、なんて言うか…雰囲気が全く違う。

いつもはただの小動物、みたいな。
今はどことなくハンターっぽい。


「おい」

「ぐえっ!」

このまま行かせてはまずいと、俺の本能が警告する。
襟首を掴むと、千葉は変な声と共に足を止めた。