クズ系彼女


だけどある日、俺はあいつの弱さを知ってしまった。


ーーー

「何してんだお前」

「別に何もしてないよー」

放課後、教室からグラウンドを眺める千葉がいた。
ちなみに俺は宿題を忘れてしまったから取りに来ただけだ。

「すーちゃん、君は毎日楽しいかい?」

「お前さえいなけりゃな」

「あは、そっか。
…ねぇ、あそこの野球部は楽しいのかな?」

「知らねぇよ。野球部に聞けや」

「私には何もないからなぁ。熱心に打ち込めるものとかさ。
正直楽しくないんだよね、毎日」

「熱心にしなくても出来るってか。なんの嫌味だ」

「事実だよ、それが。残念だけど。
でもね、君のおかげで最近は楽しいよ。
君が壊れるまでは、君を壊すことに夢中になれるからね」

そう言って振り向いた千葉は、今まで見たことのないくらい悲痛な笑みを浮かべていた。