クズ系彼女

「記憶なくなる前の私って、どんな感じだったんですか?」

「性格悪いし面倒臭いしうるさいしうざかった。
素直じゃねぇし、すぐ拗ねるし、ケンカふっかけるし、そのくせ妙に頭いいからまた余計にうざい」

頭には次々と千葉との記憶が浮かんでくる。


あいつは人の不幸を全力で大爆笑する。

あいつはゴキブリと一緒だ。一つ喋れば百はその後に待ち構えている。

あいつは適当な嘘と冗談で本音を隠そうとする。目的は言わずに過程だけを成立させようとする。

あいつは見た目はいいから、よく絡まれていた。あと、ビッチだという噂もあったし。
とりあえず男女共に絡まれ、でもあいつは負けない。お得意の口で相手の心をズタズタにし、持ち前の運動神経で体も痛めつける。

……まぁとりあえず千葉本人には、ビッチだったとは伝えないことにした。
傷つくだろうし、伝えにくい。