映画の後、千葉とカフェに向かった。
千葉はコーヒーを、俺はオレンジジュースを頼んだ。
「見かけによらず、可愛いもの飲んでますね」
ふわり、と笑う。
「わざわざ苦いもの飲む奴の気がしれねぇ」
「苦いのがいいんですよ?」
“まだまだガキだねぇ、すーちゃん。いいかな、この苦さを美味しく感じる人、それを大人と呼ぶんだよ”
だいぶ前に千葉が言ってた無茶苦茶理論を思い出す。
……懐かしい。
「ぼーっとして、どうかしました?」
千葉に声をかけられ、ハッとする。
俺は何してる。目の前に千葉がいるのに。
……俺の理想の女の子が、いるのに。


