silve shining

「ぐっ…」

 そんな誰のものか分からない呻き声が聞こえたが、沸き立つ砂埃によって、前が見えない。

 こんなに砂埃がでるなんて…どっか壁壊しちゃったかな…。

 なんて心配をして、私は息を潜める。

 そして、神経を研ぎ澄ませる。

 紫桜達の声。先生方の声。野次馬達の声。

「ふっ…はぁ、はぁ…」

 僅かに聞こえた笹目君の呼吸。

 ここからだと半径約20メートル離れた場所だ。

 聞こえたのは、私の斜め後ろ。

 流石、笹目君だ。
 
 あの攻撃をかわしながら私の後ろへ立つなんて。