それが、見事当たっただけである。

 もしかしたら、外したかもしれない。

「白熱なるこの戦いを制したのは、笹目亜紀です!winnerは笹目亜紀です!!」

「ウオオオオオ!」

 会場の生徒達が雄叫びをあげた。

 それは、どういった心境での行動なのかはよく分からない。

 俺が勝ったから雄叫びをあげたのか。

 一ノ瀬が負けたから悔しくて雄叫びをあげたのか。

 よく、分からない。

 時々、こんな事を考えてしまう。


 ま、勝てて良かった。

 こんな何もかも見下して生きてきたような男に、足の速さだけでなく、戦闘でも負けるのは嫌だからな。