silve shining

 それは、理人さんだけではなく、紫桜、りっちゃん、結香ちゃんまで。
 
「そんな、まさか、こんなに毎朝会いに来ているのに…」

 そう言って頭を抱え込んだ理人さん。

「は、葉月ちゃん!理人さんの名字は、えと、あれ?なんでしたっけ?」
 
 私に教えようとしたりっちゃんまで忘れちゃったみたいだ。

 そんなりっちゃんの姿を見て、さらに理人さんが暗くなる。
 
 あれ?

 どうしてだろう。

 すると、紫桜が

「鞍馬、だよ。鞍馬理人。もう、だめだよ?貴族のトップなんだから理人の名字くらい覚えないと。」

 と、小声で私に言った。