アイノカタチ

手についた砂を服ではらって、焦って震える手でスマートフォンの応答ボタンを押した。


「颯太…!」

「どうした渚!」

「私…私…!」

「今どこにいるんだ!」

「はぁ…はぁ…道…」

「俺の家、来れるか?」

「はぁ…うん…」

「待ってるから」


道端に座り込んでしまった私は自力で立ち上がり、翔琉の家とは逆方向の颯太の家へと向かった。