「おい、行くぞ」 誠がまたグッと強引にあたしの手をつかんだ。 「あ、うんっ……」 いまだにこの裏表の差についていけない……! ……でも。 この裏の強引な誠もちょっと素敵かな、なんて最近は思うんだ。 意地悪で強引で俺様だけど……優しくて。 それはあたしにだけみせてくれる、誠の秘密の性格。 ……大好き。 「……桃花なにニヤニヤしてんの、キモいよ」 「なっ……!」 せっかく大好きって思ってたのにっ!