爽太くんが帰った。あたしはまた誠を待つ。



「……なーにしてたの桃花? アイツと」



直後だった。背後からそんな深く、低い声がした。



ふりむかなくてもわかる。大好きな声。



「……誠」



「正解」



ふりむくとそこにいたのは、やっぱり誠。



誠は笑顔だ。いつもの王子様な微笑み。



でも、なんでだろう?



すっごく黒いオーラを感じるような……。



「あ、あの……っ」



「……桃花、あれなんなの? なんか頭ポンポンしてるとことかみえたんだけど?」