その行為自体はつまらないことだけど、あたしにとっては大事なこと。



「どうしたの?」



呼ぶと、爽太くんはじっとあたしをみた。



あたしはおもむろに口を開く。



「あのね、美奈ちゃんとつき合うことになったってきいたんだ。だからね、おめでとうって言いたくて」



「……! きいたんだ」



「うん。だから、爽太くん……おめでとう」



なんだか改めて言うと照れくさいような気がする。



「桃花ちゃん……ありがとう。そう言ってもらえてうれしいよ」



爽太くんはいつもの王子様スマイルで言う。