初恋っていう貴重な経験を、あたしにしてくれて。 実さんには感謝してもしきれないと思う。 「うん、ありがと。……ははっ、俺、完璧にフラれちゃったなぁ」 「……?」 あたしには実さんが言っていた言葉の最後がききとれなかった。 なにかを言っていたんだろうけど……いいのかな、きっと大丈夫だ。 「……さ、行こうか。今日は強引なことしたりつれまわしたりしてごめんね。初恋の人に会えたから、なんだかうれしかったのかな、俺……」 実さんが立ち上がり、そして不意に言う。 「誠、どこだ! いるんだろ!」