やっぱ覚えてないよね、と実さんが笑う。
覚えてないんだ、あたし。なんだか申し訳ない気持ちになってきた。
「えっとね、俺は桃花ちゃんのことをモモカちゃんって呼んでて。桃花ちゃんは俺のことみっくんって呼んでくれたかな?」
小学校低学年のときだよ、と実さんが言って。
「……あ!」
急にあたしは思い出した。
そうだそうだ、あたし……まだ小さい頃、ここの公園にきて……。
いっきに昔のことがよみがえってくる。
この公園で遊んだ日のこと。
ブランコに乗った、まだ幼稚園児だった和也の背中を押しているあたしも、友だちとシーソーで遊んでいたときのことも、茂みでキレイな花をみつけてうれしかったことも……。
そして。
「あたし、木からおりられなくなった……」

