あたしのいるあたりと誠との距離がぐんと近づく。
どうしてか、それは誠がこちらへ向かって走ってきているからだ。
……決してあたしたちのいる地面が誠へ向かって動いているわけではない。
そして、ふと気づけば。
……あたしの目の前に誠がいて。
「とう……えっと澤上さん、ちょっときてくれる?」
誠があたしの手をとって微笑んだ。公衆の面前だからかいつもの王子様スマイルだ。
「えっ!?」
あたし!?
しかも誠、桃花って言いかけてたよね!?
あたしたちの様子をみてわきあがる歓声。女の子たちの悲鳴がほとんどだ。
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