「ふたりきりで話したいことがあるんだ。こっち……きてくれる?」



「うん」



ふたりきりで話したいこと?



爽太くんは微笑んであたしに手招きした。こっちへこいという意味だろう。



幸いさっきの100メートル走の話で女の子たちはもりあがっていて、いつものように爽太くんが注目されるということはなかった。



ついていくと爽太くんはひと気の少ない校舎裏で立ちどまった。



「ここなら大丈夫かな……」



爽太くんは周りをみわたしながらそう言い、頷いた。



いろんな意味でドキドキする。どんな話なんだろう。