怪しまれるのをおそれて誠とは別々に倉庫から出てきたあたし。



目立たないようにサッと自分の座席へ戻った。



すると美奈ちゃんがあたしのいるほうへたったとかけてきてくれた。



美奈ちゃんはまた突然いなくなったあたしに呆れているようだった。



「もー、桃花! どこ行ってたの! あんたの王子様がお待ちかねだよ!」



「……え、王子様?」



王子様……それって爽太くんのこと?



「ほら、そこにいるから行ってらっしゃい、未来の王女様っ」



美奈ちゃんは両手をほっぺたにあててきゃあっと短く言う、なんだか乙女チックな動作をした。



「もう、からかわないでよ美奈ちゃん……っ」



なんかみんな聞いてるし。