「セーフだな」



誠は笑う。



「うん」



あたしも自然に微笑みかえした。



そして……気づく。



あたしたちの距離、めっちゃ近くなってる!



手と手がもうすぐふれちゃいそうなくらいに急接近中。



「……っ」



あたしは顔を真っ赤にしながらマットの裏からでた。



ほっぺたにふれると熱をもったように熱かった。



これはあたし、重症だ。



なるべく誠に見られないように顔をそむけた。



「なあ、桃花」



そして、そんな優しい声が聞こえてくる。