わきあがる歓声。
あ……はじまった。
都築くんと爽太くんはホントだ、同じ走順だ。
いまはまだふたりの番じゃない。他の人が走っている。
見ているこちらからは１００メートルはあっという間。
すぐにふたりの順番がきた。
周りの女の子たちの叫び声もいっそう大きくなる。
そして、あたしの気のせいかもしれないけど……都築くんが一瞬、こちらを見て笑った。
しかもあたしの目をみて。
都築くんはもしかして、あたしに笑ってくれたのかな？
『それでは位置について……よーいドン！』
でも、考えるヒマもなく都築くん、爽太くんはスタートしてしまった。
