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「なんなのよ、この資料の重さは……っ」



とある5月の日の放課後。



ひと気のないろう下で、あたしはそう呟いた。



夕暮れ時のろう下は、窓から射しこむ夕日の影響でもう茜色に染まっている。



こんな時間なら、帰宅部のあたしはもうとっくに帰ってるはずなのに。



今日のあたしは日直の仕事で学校に残っていた。



しかも今日は特別仕事が多い。クラスで使うプリントをホッチキスで何十部もまとめて、それを全部職員室まで運ぶの。



もうひとりの日直の人が休みで、あたしが全部やるハメに……。



量がたくさんで一度じゃ全部は運べないから、何度かにわけて運んでいる。



今で教室と職員室の往復、3回目……。



資料はものすごく重くて、さすがに疲れてきた……。