ガチャ…バタン。
乃恵瑠は、部屋の扉を開けて中に入った。
「ふわ~…疲れたぁー!」
部屋に入ると、すぐにリュックをかけて、
ベットに飛び込んだ。

しばらくゴロゴロしていると、何故か急に乃恵瑠は鏡を見てみたい衝動に駆られた。
(いつもは、こんな事思わないのに…)
乃恵瑠は、その気持ちに耐えられなくなり、ベットから立ち上がった。

大きな檜のタンスの横にある鏡。
氷の彫刻刀のような鏡は、今だけ吸い込まれそうな気を発していた。

ーフッ
やはりまた人影が写った。だが、いつもとは違い、今回は、はっきりとした姿だった。
「あれ…?これ…女の子…?」
鏡に写ったのは、不思議な格好をした少女だった。

不意に女の子は消えて、女の人がはっきりと写った。
すると、部屋に煙が立ち込めた。

そして、鏡の中から……