「えっ…」
ちかっと何かが窓からの光を反射したということを理解するより前に生々しい音と、より濃い血の臭いに襲われた。
生暖かい感触に頬を触ればべっとりと血がついている。
「まだいたんだね」
「大丈夫か、東條」
「あ…はい、大丈夫です」
ごろっと転がった肉の塊と目が合っても私は妙に冷静でいられた。頭が追い付いていないからかもしれない。
「ね、君これ片づけといて」
「はい」
沖田さんが一番組の隊士の一人にそういうとくるりとこちらを向いた。
「結構あるね」
沖田さんの視線の先には並べられた武器たち。
これが私や新選組のみんなを傷つけていたかもしれないと思うと何とも言えない気持ちになる。
「運ぶぞ」
「はい」
「めんどうだなぁ…」
「それから総司、勝手に枡屋に押し入った理由を副長にもしっかり報告するように」
「げっ…一くん怒ってるの?」
「怒ってはいない、ただここの見張りをしていた者の苦労も知れ、ということだ」
「そっか、そういえば一くん椿と出会い茶…」
「それ以上言うと手がすべるかもしれぬぞ」
「…一くんこわーい」
ふんっと並んでいた武器を手に取って行ってしまった斎藤さんの首元はかすかに赤くて、やっぱり彼を選択してしまって申し訳なかったと乾いた笑みを浮かべる。

