「お前の新選組への思いはよく伝わっている。先ほどの言葉、局長や副長が聞けば喜ぶだろうな」
「斎藤さん…」
「俺も…その組織の一部だと思うとうれしい、な。はじめは奇妙でおかしなやつだと思っていたが、お前には人をひきつけるなにか不思議な力がある。それはきっとお前のまっすぐな想いがあるからこそなのだろうな」
ふわりとやわらかく笑った斎藤さんがとても綺麗で見惚れてしまった。いつもはあまり表情を変えないから余計に。
そう思ったところで私と斎藤さんはほぼ同時に外を見た。枡屋の入り口に見える浅葱色の羽織に斎藤さんは刀を持って立ち上がった。
「一番組…総司のところか。俺は加勢に行くが、お前はどうする」
「私も行きます。袴に着替えてから行くので先に行っていてください」
「わかった」
刀を手に振り返らず部屋を後にした斎藤さんはやっぱり武士らしいと感じ、私は変装用に着ていた女物の着物を脱ぐと袴に着替えて下に降りて行った。
向かいの枡屋の入り口に立つと鉄の臭いが広がった。
足元や隊士達の羽織には赤黒いものが見える。加勢しようと思ったがどうやらもう全員取り押さえられたようだ。
「すみません、遅くなりました」
「…来たか」
「うん、もう終わったよ。ま、俺も一くんもいたからね。早く終わったよ」
確かにその二人は最恐の組合せだと思う。二人に刀を向けられたら、それだけで足がすくんでしまうだろう。
奥に密輸された武器があるらしく三人で奥に足を進める。
進めば進むほど薄暗くなっていって広く開けたところにだけ小さな窓があった。

