「お、見つけた」
「やっと見つけました」
探していたのは原田さん。もちろん火鉢にあてさせてもらうためだが、彼の方も何故か私を探していたようだ。
「どうかしたんですか?」
「これ、一緒に飲まねェか?」
顔の近くまで持ち上げられたのは酒瓶。私の目はきっと輝いただろう。原田さんの部屋にいけば火鉢にお酒…なんて素敵なお誘い。
「行きます。あ、でも平助さんと永倉さんは誘わないんですか?」
「あいつらはがばがば飲んじまうからな。これはちょっといい酒なんだよ、あいつらにやるなんてもったいねェだろ」
「確かに…その様子が簡単に頭に浮かびます」
二人で苦笑いして敷居を跨いだ。
「なにかつまみでもつくればよかったですね」
「ま、いいだろ。お前が酌してくれたらもっと進むけどな」
「いいですよ、私も頂くわけですし。どうぞ」
酒を注ぐと原田さんは満足そうに笑って右手を煽った。私も少し口に含むと舌触りがよく飲みやすかったからかいつもより進む。
「これ、すごくおいしいですね」
「だろ?あー…これでお前が女装してたら本当に最高なんだろうなァ…」
「昼間の話ですか?もう…しませんよ」
酒を進めながら話が昼間のものに戻って、原田さんは酔っているせいか顔が赤かったけれど至極真面目に言っているようだった。
火鉢の中ではいけた炭火が赤く熱くなっている。すきま風に身を震わせて火鉢にすりよるとまた原田さんに手を引かれて腕の中におさめられる。
「なんですか?」
「寒いかと思ってさ」
「寒いですけど…」
なんというか後ろから腕を回されるというのは好きだけど少し苦手だ。だって後ろからだと抵抗も押し返すこともできない。それに、原田さんの場合この甘い声もいけない。
「なァ、俺本気でいってんだぜ?」
「…口説いてるんですか?」
「…まァな」
回された腕の力がぐっと強くなって私も冷たい手をその腕に這わせた。ああ、私も酔いがまわってるらしい。
「女の格好しないと私は色気なしですか?」
お酒っていうのはいけない。冷静な判断力を失う。
「そういうことじゃねェよ。お前はどんな格好してても色気あるぜ」
「ほんとですか?」
こてんと後ろにもたれて上を向くと目があった。いつも通りへらへらと笑っているけれどいつもとは違う本能を纏った瞳。
「ああ、本当だ」
その瞳が急に近づいた気がして目を閉じた。
炭火の赤がとても綺麗に見えた。
「やっと見つけました」
探していたのは原田さん。もちろん火鉢にあてさせてもらうためだが、彼の方も何故か私を探していたようだ。
「どうかしたんですか?」
「これ、一緒に飲まねェか?」
顔の近くまで持ち上げられたのは酒瓶。私の目はきっと輝いただろう。原田さんの部屋にいけば火鉢にお酒…なんて素敵なお誘い。
「行きます。あ、でも平助さんと永倉さんは誘わないんですか?」
「あいつらはがばがば飲んじまうからな。これはちょっといい酒なんだよ、あいつらにやるなんてもったいねェだろ」
「確かに…その様子が簡単に頭に浮かびます」
二人で苦笑いして敷居を跨いだ。
「なにかつまみでもつくればよかったですね」
「ま、いいだろ。お前が酌してくれたらもっと進むけどな」
「いいですよ、私も頂くわけですし。どうぞ」
酒を注ぐと原田さんは満足そうに笑って右手を煽った。私も少し口に含むと舌触りがよく飲みやすかったからかいつもより進む。
「これ、すごくおいしいですね」
「だろ?あー…これでお前が女装してたら本当に最高なんだろうなァ…」
「昼間の話ですか?もう…しませんよ」
酒を進めながら話が昼間のものに戻って、原田さんは酔っているせいか顔が赤かったけれど至極真面目に言っているようだった。
火鉢の中ではいけた炭火が赤く熱くなっている。すきま風に身を震わせて火鉢にすりよるとまた原田さんに手を引かれて腕の中におさめられる。
「なんですか?」
「寒いかと思ってさ」
「寒いですけど…」
なんというか後ろから腕を回されるというのは好きだけど少し苦手だ。だって後ろからだと抵抗も押し返すこともできない。それに、原田さんの場合この甘い声もいけない。
「なァ、俺本気でいってんだぜ?」
「…口説いてるんですか?」
「…まァな」
回された腕の力がぐっと強くなって私も冷たい手をその腕に這わせた。ああ、私も酔いがまわってるらしい。
「女の格好しないと私は色気なしですか?」
お酒っていうのはいけない。冷静な判断力を失う。
「そういうことじゃねェよ。お前はどんな格好してても色気あるぜ」
「ほんとですか?」
こてんと後ろにもたれて上を向くと目があった。いつも通りへらへらと笑っているけれどいつもとは違う本能を纏った瞳。
「ああ、本当だ」
その瞳が急に近づいた気がして目を閉じた。
炭火の赤がとても綺麗に見えた。

