「ん?茶いれてくるんじゃなかったのか?」
「平助さんごめん、やっぱり休まずに続けたい」
「俺はいいけどよ」
竹刀を手に取ると先程とは違いまるで手に吸い付いたかのように強く持てて力強く踏み込んだ。しびれる感覚が今度は竹刀の先から伝わってくる。
「っおぉ?出来たじゃねぇか」
「こんなところで止まってちゃ駄目だって思ったの。もっと、もっと頑張らないと…」
何があったのかと首をかしげる平助さんの手にある竹刀を打つ。
こんなの八つ当たりだって分かってるのに私の竹刀を受け止めてしまう平助さんの力の強さに少しいらつく。
どうして私はこの時代に来たのか、どうして私はなんの覚悟も持てないのか、どうして私は…こうも無力なのか。