少し重めの竹刀を振り下ろす。
「けっこう筋いいな」
「そう?よかった」
「そこらの町娘と違って足を開くのにも慣れてるし筋力もまぁまぁあるし」
「体動かすのが好きだったから、かな」
未来では特に決まったスポーツをしていたわけではなかったけれどたまにジムに行ってたしこっちきてからも寝る前にストレッチとかはしてたしね。
「んじゃ一回手合わせしてみっか」
「えぇ…」
「何だよ、やってみねぇと実戦じゃ使えねぇぜ?」
「うん、そうだよね、」
まず実戦したくないんだけど、新選組にいる限りいつかは刀を持たなければならないだろう。竹刀をぐっと握ると前で軽く構えている平助さんに打ち込む。けれどやっぱり直前で無意識のうちに力が少しは抜けるわけですぐに平助さんの竹刀で弾かれてしまう。
「うーん…さっきより力抜けてねぇ?」
「やっぱり人に向けるって思うと思いきりがつけられなくて…。駄目だよねこんな風だったらすぐ殺されちゃう」
「まぁ、そんな急に気持ちも変わんねぇだろ。でもこの場合考えるより慣れろだと思うしもう少しやってみるか?」
「うん」
でも何度やっても私の竹刀はすぐに手から離れるばかりで掌は弾かれるときの衝撃で少しだけ痺れていた。