「あ、やっぱここにいたか、一くん」
「平助か、どうした」
「今から新八と佐之さんと島原行くんだけど一くんもいかねぇかなって」
「俺はこの後預けている刀を取りに行くことになっている。三人で行ってきてくれ」
「おう、わかった。…って椿どうした?」
うずうずして肩を揺らしている私に平助さんが苦笑しながら聞いてくれる。
「私も行きたい」
「島原に?女が来てもつまんねぇぞ?」
「えっと、同年くらいの女の子と話せるかなって」
「あぁ、お前こっちにきてから同い年くらいの子とは全然話したことねぇか」
「それと、お酒も少し…」
「お、なんだ椿、酒飲めんのか!じゃあ行こうぜ!」
「いいの?うれしい!」
「いいよな?一くん」
「こいつが喜ぶならいいんじゃないか?」
二人に許可がもらえて嬉しさに頬が緩むのを感じながら平助さんの背を追いかけた。島原も歴史上有名なところだし行って損はない。お酒も久しぶりにのみたかったし、足取りは軽くなっていった。




「ん?椿?」
「斉藤を誘いに行ったんだろ?」
「あぁ、一くんはいかねえってさ。椿は女の子と話したいってのと酒も飲めるっていったからつれてってやろうかなって」
「酒いけるクチか!」
「ま、たまには外出させてやりてェって思ってたし、いいんじゃねェの?」
原田さんと永倉さんはにんまり笑って私の手を引いた。薄暗い外に足を踏み出したのと同時に胸が踊るのを感じた。