「東條くん、どうかしたのかい?」
「井上さん、その手桶と杓は、」
井戸に向かうと手桶と杓を持った井上さんがいた。
「ああ、暑いからね、打ち水でもしようと思って」
「私もそう思ってきたところなんです。本当、京って暑いですね」
「盆地だからねぇ、夏は暑いし冬は寒いよ」
「冬は着込めばいいんですけど、夏は脱ぐのにも限界があるからきついですね…」
「隊士たちも暑さと食べ物にやられて動ける人が少ないから大変だよ。君も気を付けるんだよ」
「はい」
井上さんの離れていく足音をききながら井戸から水を汲み上げて桶の中にいれていく。少し大きめの桶に水を張ると杓でまわりにまいた。
「うーん、もう少しかな」
水をある程度減らしてから縁側まで持ってくると腰を下ろして草履と足袋を脱いだ。口元がにやけるのを抑えもせずに裸になった足を桶の中にいれた。ひんやりとした水が足の表面をなめらかにすべる。
「気持ちいー」
「面白そうなことしてんな」
「あ、俺もやりてェ!」
足袋をぽいっと投げ捨てて同じ桶の中に足を突っ込んできたのは原田さん。置いていた杓でいつのまにか水を汲み上げているのは平助さん。
「あれ?永倉さんは巡察ですか?」
「ああ、一くんところと巡察だよ。で、なにしてんのこれ」
「私は皆さんみたいに水浴びできないのでせめて打ち水とか足だけでも水につけたいなぁ、と」
「すっげェ気持ちいいぜ、減らしてからも足いれてみろよ」
「いや、二人の足入ってたら入れる隙間ねぇし。にしても水少なくねぇ?もう少し持ってきてやろうか?」
「本当ですか?一人だと重くてあんまり入れられなかったんです」
大きめの桶だったので中の水が揺れてここに持ってくるまでに何度倒れそうになったか…。
「ああ、ちょっと待ってろ」
「あんがとな、平助~」
「佐之さんは動く気ねぇのかよ。ま、いいけどさ」
手で首筋を扇ぎながら井戸へ向かう背にお礼を告げるとひらひらと手をふられる。
「井上さん、その手桶と杓は、」
井戸に向かうと手桶と杓を持った井上さんがいた。
「ああ、暑いからね、打ち水でもしようと思って」
「私もそう思ってきたところなんです。本当、京って暑いですね」
「盆地だからねぇ、夏は暑いし冬は寒いよ」
「冬は着込めばいいんですけど、夏は脱ぐのにも限界があるからきついですね…」
「隊士たちも暑さと食べ物にやられて動ける人が少ないから大変だよ。君も気を付けるんだよ」
「はい」
井上さんの離れていく足音をききながら井戸から水を汲み上げて桶の中にいれていく。少し大きめの桶に水を張ると杓でまわりにまいた。
「うーん、もう少しかな」
水をある程度減らしてから縁側まで持ってくると腰を下ろして草履と足袋を脱いだ。口元がにやけるのを抑えもせずに裸になった足を桶の中にいれた。ひんやりとした水が足の表面をなめらかにすべる。
「気持ちいー」
「面白そうなことしてんな」
「あ、俺もやりてェ!」
足袋をぽいっと投げ捨てて同じ桶の中に足を突っ込んできたのは原田さん。置いていた杓でいつのまにか水を汲み上げているのは平助さん。
「あれ?永倉さんは巡察ですか?」
「ああ、一くんところと巡察だよ。で、なにしてんのこれ」
「私は皆さんみたいに水浴びできないのでせめて打ち水とか足だけでも水につけたいなぁ、と」
「すっげェ気持ちいいぜ、減らしてからも足いれてみろよ」
「いや、二人の足入ってたら入れる隙間ねぇし。にしても水少なくねぇ?もう少し持ってきてやろうか?」
「本当ですか?一人だと重くてあんまり入れられなかったんです」
大きめの桶だったので中の水が揺れてここに持ってくるまでに何度倒れそうになったか…。
「ああ、ちょっと待ってろ」
「あんがとな、平助~」
「佐之さんは動く気ねぇのかよ。ま、いいけどさ」
手で首筋を扇ぎながら井戸へ向かう背にお礼を告げるとひらひらと手をふられる。

