「土方さん」
「東條…?なんだ」
襖越しでも眉を寄せているんだろうとわかるような声が聞こえて苦笑してしまう。鬼の副長と言われるだけあるけれど、近藤さんのいう通り少しは休まないと大変だろうに。
「お茶をお持ちしました」
「…入れ」
「失礼します」
膝をついて襖を開けるとこちらに目も向けず筆を手にしている土方さんがいた。結ばれた長い髪の隙間から見える首筋はきれいでやっぱり女の人みたい。ぼおっとしていると土方さんの目が一瞬こちらを向いたのであわてて中に入り襖を閉めた。
「土方さん、少し休憩してください」
「んな暇はねぇ。茶はそこにおいとけ」
ああ、近藤さんはこうして言いくるめられるのか。一応言われたところにお茶とお菓子を置いたもののいっこうに飲もうとしてくれない。せっかく入れてきたのにお茶が冷めてしまう、とむくれながら土方さんに声をかける。
「近藤さんも心配していましたよ」
「近藤さんは優しすぎる」
「それを抜いても土方さんは少し働きすぎです」
「俺がやらなかったら誰がやるってんだ」
「…でも少しは休まないと体力も集中力も保ちませんよ」
「んなもんどうにでもなる」
「お茶が冷めちゃいます」
「お前のいれる茶は冷めただけで不味くなんのか?」
…っく、こんのプレイボーイめ。
こうなったら最終手段だ。私だって恩人である近藤さんに頼まれたんだからそう簡単に引き下がるわけにもいかないのだ。
「土方さん」
くいっと筆を持つ手とは反対側の袂を引く。流石に書いているのをずらしてしまってはいけないと考慮した行動に土方さんはため息をついてこちらを向いた。
「っ…お前、誘ってんのか?」
「ふふっ」
少しだけ正座を崩し、袂を持つ手の反対側は土方さんの足のすぐそばに置いた。姿勢よく正座している土方さんより必然的に座高が低くなったからこそできる上目遣いつき。
ここは女の色気という武器を存分に使わせてもらうとしよう。…それでも土方さんの色気には勝てない気がするけど。
「東條…?なんだ」
襖越しでも眉を寄せているんだろうとわかるような声が聞こえて苦笑してしまう。鬼の副長と言われるだけあるけれど、近藤さんのいう通り少しは休まないと大変だろうに。
「お茶をお持ちしました」
「…入れ」
「失礼します」
膝をついて襖を開けるとこちらに目も向けず筆を手にしている土方さんがいた。結ばれた長い髪の隙間から見える首筋はきれいでやっぱり女の人みたい。ぼおっとしていると土方さんの目が一瞬こちらを向いたのであわてて中に入り襖を閉めた。
「土方さん、少し休憩してください」
「んな暇はねぇ。茶はそこにおいとけ」
ああ、近藤さんはこうして言いくるめられるのか。一応言われたところにお茶とお菓子を置いたもののいっこうに飲もうとしてくれない。せっかく入れてきたのにお茶が冷めてしまう、とむくれながら土方さんに声をかける。
「近藤さんも心配していましたよ」
「近藤さんは優しすぎる」
「それを抜いても土方さんは少し働きすぎです」
「俺がやらなかったら誰がやるってんだ」
「…でも少しは休まないと体力も集中力も保ちませんよ」
「んなもんどうにでもなる」
「お茶が冷めちゃいます」
「お前のいれる茶は冷めただけで不味くなんのか?」
…っく、こんのプレイボーイめ。
こうなったら最終手段だ。私だって恩人である近藤さんに頼まれたんだからそう簡単に引き下がるわけにもいかないのだ。
「土方さん」
くいっと筆を持つ手とは反対側の袂を引く。流石に書いているのをずらしてしまってはいけないと考慮した行動に土方さんはため息をついてこちらを向いた。
「っ…お前、誘ってんのか?」
「ふふっ」
少しだけ正座を崩し、袂を持つ手の反対側は土方さんの足のすぐそばに置いた。姿勢よく正座している土方さんより必然的に座高が低くなったからこそできる上目遣いつき。
ここは女の色気という武器を存分に使わせてもらうとしよう。…それでも土方さんの色気には勝てない気がするけど。

