結局二人が全て買って荷物まで持ってくれている。
「私、そんなつもりじゃなかったのに…」
「いらないの?」
「い、いりますっ!欲しいです!お二人とも本当にありがとうございます」
「そうだな、お礼は夜伽の相手でも…」
「おいおい、総司、」
「佐之さんだって言ってたじゃないですか。新選組に置くんですから役に立ってもらわないと」
「俺のは冗談だってェの!」
「いいですよ?」
「は?」
足を止めて振り返った二人にもう一度答えた。
「いいですよ。生娘じゃないですし」
「ふーん…それ本気?」
「殺されるよりはましですよ」
「おい、東條っ」
原田さんの焦ったような顔が視界に入るが、今は沖田さんから目を離さない。離してしまったら負けた気がするもの。
沖田さんはしばらく冷えたような目で私を見下ろしてから、口許を緩ませた。
「ふっ…そんな震えながら睨まれてもね。あはは!」
「わ、笑わないでください」
「ははっ、冗談だよ。俺は好きな人としかしないし、興味ない。そこの佐之さんはどうだか知らないですけどね?」
「総司このやろっ!!」
「あははっ!」
笑いながら原田さんから逃げていく沖田さんと目があって動けずにいた私に微笑んだ。それにつられるように私も小さく笑って二人を追いかけた。