シオン【完結】


「なあ、りょうって高校どこ志望だっけ」

「俺は…」


…祥太郎が目の前で亡くなって、俺は県外の高校を受験して逃げる様に地元から離れた。


俺の家にも。
家の周りにも。

祥太郎の思い出があり過ぎて。


そんな気持ちを隠しながら、俺は答える。



「まだ、わかんね」

「だよなあ~。サッカーで推薦行けたらいいな」

「お前なら行けるよ」

「ええ?それを言うならりょうもだろ」

「俺達、お互い褒め合って気持ち悪っ」

「確かに」


来年、俺達は受験生になる。

これからの事とか、考える余裕なんて持ち合わせてなかったのに。


そんな俺を置いて、時は淡々と流れて行ったから。