「んじゃ、行って来るわー」
さっきと同じ格好の母親にそう告げて、俺は家を出た。
自転車に跨って向かうは待ち合わせ場所のデパート。
ここの入口が待ち合わせ場所だった。
駐輪場に自転車を停めて、鍵をかけると入口へと早歩きで進む。
そこにまだ久美はいなかった。
まだか。
そうやってホッとしたのも束の間。
「遼佑!」
すぐにかかる声。
振り向くと、笑顔の久美が立っていた。
私服の久美。
やっぱり“昔と今”とで洋服の趣味は変わらない。
シンプルな淡い色のカットソーと、デニムスカート。
ミニリュックを背負って、少しだけヒールのあるサンダル。
派手でもなく、控えめ過ぎずの格好が好きなんだろうな。
やっぱり中学生だから幼いし、あどけなさもあるけど。



