俺達は今年二十歳になる。 成人するんだ。 どうしてだろう、それを素直に喜べないのは。 やはり、祥太郎。 お前の事が気になってるからかな。 「酒とか飲みたかったよな」 「本当に」 毎年、祥太郎の命日だけは祥太郎の話ばっかになる。 それがわかってるから、お墓参りが終わったら解散する事にしていた。 あの日を思い出すのは、お互い苦しい。 目の前で一瞬にして消え去った命。