シオン【完結】


「んじゃ、帰るかー」

「だなー」


祥太郎に声をかけると、祥太郎はカバンを持って久美の元へと向かう。


「祥君、今日は博美と帰る」

「ええ~まじでかああ。わかった」

「急でごめんね」

「うん、まあたまには博美に久美譲ってやんねえとな」


その横で博美が「そうだそうだ」なんて茶化していた。


そっちの方が、まあ都合いい。
俺と自宅方面まで向かった方が、俺自身も安心する。

今日、久美と出かける事は祥太郎には絶対バレたらいけないんだ。


久美と博美にバイバイしてから、俺達は並んで帰路につく。


「はあ~、暇だ」


祥太郎は今日、誰とも遊べないのが不満らしく、そう声を漏らす。
俺は苦笑しながら、返した。