シオン【完結】



母親は保留音を流すと、受話器を持ったまま


「遼佑、電話。小森さんだって」


そう俺に伝えた。


それに、驚く。

…小森、って。久美か?


何で俺に電話?

って、早く出ないと!
口を必死に動かして、お茶を流し込むと俺は母親から受話器を受け取った。


正直、両親の目の前で話すの嫌なんだが。
母親がニヤニヤして見てるし。


ドキドキしながら、俺は保留ボタンを押す。


「もしもし」

『あ。遼佑?』

「うん、どうしたの」

『えっと、明日部活ないでしょ?』

「えー…っと、そうだっけ」

『何言ってるの、明日は早帰りの日じゃない』

「あ。そうだった」


毎週、木曜日は早帰りの日だ。
確か、教師の勉強会があるとかなんとか。

詳しくは知らないけど。


言われるまでそんなの忘れてたわ。