シオン【完結】


落ち着いた俺達は少しだけ、赤い目で笑う。


「恥ずかしいとこ見せちゃったわ」

「いえ、俺達こそ」

「本当だよな、りょう」

「それじゃあ、俺達はそろそろ帰ります」

「ええ、今日は本当にありがとう」

「いいえ」


祥太郎と一緒に玄関まで行く。
手にはちゃんと作文を持って。


見送りに来てくれた久美の母親に挨拶をすると、玄関の扉を開けた。



「……」

「……」


二人して帰路につく。


その道中、ぽつりと、俺は口を開く。


「…この作文は祥太郎が持ってろよ」

「え?」

「俺は日記を持ってるからな」

「……」


そう言うと、祥太郎が手に持ってる作文を見つめた。
また、泣きそうなのか、少しだけ顔を上げると祥太郎が話し出す。


「ありがとう、りょう」

「ああ」