シオン【完結】


「怒られそうだなー」

「あはは、本当に」


二人して、そんな久美を想像して苦笑する。


“祥君!遼佑!
そんなんじゃ口聞いてやらないからねっ!!”
…みたいな?


久美の少しだけ怒った顔を想像して、思わず頬が緩んだ。


「ムッツリ」

「……は?」


俺の緩んだ顔を見た祥太郎が、一言呟く。
それに、素っ頓狂な声が出た。



「久美のあんな事や、こんな事思い出してたんだろ!!」

「アホか!!」

「俺はした事ないのにーー!!」

「やめろ!でかい声で変な事言うの!!」


慌てて祥太郎の口を塞ぐ。


地元の駅に到着するまでの間。
俺と祥太郎は終始こんな感じだった。



「ふう、着いたっと」


新幹線を降りると、俺の母親が駅まで迎えに来てくれていた。
祥太郎と一般の乗り降りスペースまで向かうと、懐かしい車が目に入る。


トランクに荷物を積んでから、俺と祥太郎は車に乗り込んだ。