シオン【完結】



「……りょう…、お前…」

「……」


何も言わずに、俺は眉を下げながら微笑む。


祥太郎の手は最後のページで止まった。



『祥君へ』


俺は、これ以上読んでないからどんな内容があるかはわからない。



「…お前、これ読んだ?」

「ううん、祥太郎宛てのは読んでない」

「……ん」


そう言って、俺にそのページを開きながら渡す。




『祥君へ。

私を助けようとしてくれてありがとう。
結局、こうする事をしてしまった私を許して下さい。

誰も悪くないから、どうか、自分を責めないでね。


学生時代の私は、祥君がすべてでした。
本当に大好きでした。

遼佑と、二人でふざけ合って笑い合う姿が本当に大好きで。

その間にいられる事が、私にはとても幸せでした。


これからも、遼佑と仲良くしてね。


きっと、それが私がいつまでも笑っていられる要素かな。


久美より』