シオン【完結】




気まずくて、顔を俯かせると遼佑は

「携帯ある?」

そうやって聞いてきた。



目をぱちくりとさせながら私は頷く。



「そ。教えて」

「うん」


携帯をポケットから取り出すと、連絡先を交換する。


「そ。んじゃ、今度久しぶりにどっか行こう」

「…うん」

「ほら、今日はちょっと誰かとワイワイする気分じゃねえし」

「………」


それに、私はコクリと首を動かすだけで精一杯だった。


「それじゃ、またな」


ニコって笑ってみせると、遼佑は家の中へと入って行く。
それと入れ違いで博美が出て来た。


「遼佑見た?久々だったね!久美、もう平気?」

「うん、大丈夫」

「そう、じゃあ行こうか」

「うん」


博美と並んで歩く。


……私は。


どうして、遼佑に対して負の感情を抱いていたんだろう。