シオン【完結】


「久しぶり」

「…だな」

「元気か?」

「まあ、それなりに」

「そっか。なあ、近い内に会えないか?」

「え?」


突然の誘いに、俺は立ち止まった。
祥太郎の、次の言葉だけに意識が集中する。


「久々だしな。あ、番号は斉藤に聞いた」

「ああ、そうか」


斉藤は同じクラスだったヤツ。
そんな頻繁に会ったりはしてなかったけど、たまに遊んでいた。

まさか、斉藤が祥太郎と連絡を取ってるとは。
何も聞いた事無かった。




「いつ暇?」

「あ、えっと、明後日バイトないわ」

「了解。じゃあ、明後日会おう。今都内にいるんだろ?そっち行くから」

「ああ、うん」


そう言うと、待ち合わせ場所と時間を決めて電話を切った。


暫く、俺はその場から動けなかった。