俺が記憶を取り戻して数日経った時だった。
何もかもが当たり前の様に過ぎて行く毎日。
時間だけを無駄に消費してる俺に、一件の電話があった。
バイトが終わった後、携帯を確認すると着信の通知がある。
誰かを見るが、知らない番号。
……誰だ?
その番号に俺は掛け直した。
北風が冷たい。
クリスマスのイルミネーションが、俺を無性に虚しくさせた。
今は俺は近くの喫茶店でバイトをしている。
前はレンタルショップだったけど。
変な感じ。
二つ記憶があるって。
長いコール音の後、聞こえたのは懐かしい声だった。
「あ、もしもしりょう?」
りょうって。そう呼ぶのは。
「……しょ、う、たろう?」
「ああ、そう」
卒業以来、顔を見る事もなかった祥太郎と今、電話で話している。
いきなり、どうしたんだ?
祥太郎と話せる事なんて、もうないと思ってた。



