シオン【完結】


「久美っ!待てって!!!おい!!!」


俺の腕を解こうとしながら、祥太郎が大声を出す。
それで、俺に一つの考えが浮かぶ。


…ちょっと、待てよ。
祥太郎が今校門にいないって事は。


ふっと、祥太郎を掴んでいた腕が緩む。


嫌な考えが脳内を埋め尽くして行く。


俺の足は祥太郎よりも先に前へと進んでいた。



走る久美の姿が、校門を抜けた先に見える。

おい、まさか。



「久美!!!!」


呼び止める様に、叫ぶ俺。


久美は俺の声に反応したのか、その場に立ち止まりこっちを振り向こうとした瞬間だった。



それは一瞬だった。