シオン【完結】




「……何で久美、泣いてんの」


久美に視線をやると、そう低く言い放つ。



「…これは」


俺にも理由がわからなくて、戸惑っていたから何も言えない。


「………」


祥太郎はくるっと振り返ると、その場を立ち去ろうとする。
慌てて俺はそれを追いかけた。


「祥太郎!」


祥太郎は俺の呼びかけに止まろうとしない。
昇降口まで来ると、やっと祥太郎の肩を掴んだ。


「泣いてたのは俺にもわかんねえんだって!」


祥太郎にそう訴えるけど、祥太郎は一切俺の方を見ようとはしない。




「なあ、お願いだよ…。久美と仲直りしてくれ」

「……誰の所為だって言うんだよ」

「わかってる。俺と仲直りしなくてもいいんだ」

「はあ!?」


祥太郎はぐるっと振り向くと、俺をキッと睨みつける。