シオン【完結】


部活が終わり、汗を拭いてる祥太郎に声をかける。


「…祥太郎」

「……先に教室に行ってて」

「ああ」


それに頷くと、俺は先に教室へと向かった。


向かう途中、考えるのはこれからの事と事故の事。


このまま、教室に留めておく事は出来るだろうか。
…ちゃんと、二人は戻るだろうか。


どこから間違えてしまったのか、わからない。


冷静になろうと思っても、いくら考えても、どうしても気持ちは逸る。


教室に入ると、久美がそこにいた。
思わず立ち止まると、気付いた久美が顔を上げた。


「あ、遼佑」


困った様な顔で笑う久美に、俺も曖昧に笑う。


「部活、もう終わったんだ」

「…うん」

「早いな。これから祥太郎も来るから」

「……うん」


歯切れの悪い返事ばかりの久美に、なるべくいつも通り接する。
少し久美と離れた自分の席に座った。