この距離は、私と先生みたいだな。




どんなに近くにいても、
必ず場所は3歩後ろ。




生徒だから、先生がこの学校にいる限り、私は先生を見つめることができる。


私が先生を呼ぶと、先生は…きっと、来てくれる。




けど、それは3歩後ろだから。


先生の本当の隣には
先生の奥さんと娘さんがいて…。



先生の隣を歩くことはできない。






「会ったのは、久しぶりだな。 」



急に、低い声が私の耳を通った。





…3歩先の先生の声が聞こえた。




私に、言ってるんだよね…?

辺りを見たけど、先生と会話できそうは人はいない。





私に話しかけてくれてるんだ